本日配信のメルマガでは、2024年大学入学共通テスト数学2B第3問を解説します。
【高校数学】読むだけでわかる!共通テスト数学の考え方
http://www.mag2.com/m/0001641004.htmlリクエスト等ございましたら、mm@a-ema.comまでお知らせください。
■ 問題
2024年共通テスト数2Bより
第3問
以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて47ページの正規分布表を
用いてもよい。また、ここでの[晴れ]の定義については、気象庁の天気概況の
「快晴」または「晴」とする。
※正規分布表はブログにも掲載しています。
http://a-ema.seesaa.net/article/503202201.html(1) 太郎さんは、自分が住んでいる地域において、日曜日に[晴れ]となる確率を
考えている。
[晴れ]の場合は1,[晴れ]以外の場合は0の値をとる確率変数をXと定義する。
また、X=1である確率をpとすると、その確率分布は表1のようになる。
表1
―――┬――――――┬―――
X │ 0 1 │ 計
―――┼――――――┼―――
確率│1−p p | 1
―――┴――――――┴―――
この確率変数Xの平均(期待値)をmとすると
m=[ア]
となる。
太郎さんは、ある期間における連続したn週の日曜日の天気を、表1の確率分布を
もつ母集団から無作為に抽出した大きさnの標本とみなし、それらのXを確率変数
X1,X2,…,Xnで表すことにした。そして、その標本平均を利用して、母平均m
を推定しようと考えた。実際にn=300として晴れの日数を調べたところ、表2の
ようになった。
表 2
――――┬――――
天気 │ 日数
――――┼――――
晴れ │ 75
――――┼――――
晴れ以外| 225
――――┼――――
計 | 300
――――┴――――
母標準偏差をσとすると、n=300は充分に大きいので、標本平均は近似的に
正規分布N(m,[イ])に従う。
一般に、母標準偏差σがわからないとき、標本の大きさnが大きければ、σの
かわりに標本の標準偏差Sを用いてもよいことが知られている。Sは
http://www.a-ema.com/img/2024m2b3.pngで計算できる。ここで、X1^2=X1,X2^2=X2,…,Xn^2=Xnであることに
着目し、右辺を整理すると、S=√[エ]と表されることがわかる。
よって、表2より、大きさn=300の標本から求められる母平均mに対する
信頼度95%の信頼区間は[オ]となる。
[ア]の解答群
┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|{0} p {1} p^2 {2} 1−p {3} (1−p)^2 |
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
[イ]の解答群
┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|{0} σ {1} σ^2 {2} σ/n {3} σ^2/n {4} σ/√n |
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
[ウ],[エ]の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|{0} 標本平均 {1} (標本平均)^2 |
|{2} 標本平均・(1−標本平均) {3} 1−標本平均 |
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
[オ]については、最も適当なものを、次の{0}〜{5}のうちから一つ選べ。
┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|{0} 0.201≦m≦0.299 {1} 0.209≦m≦0.291 |
|{2} 0.225≦m≦0.250 {3} 0.255≦m≦0.275 |
|{4} 0.247≦m≦0.253 {5} 0.250≦m≦0.275 |
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
(2) ある期間において、「ちょうど3週続けて日曜日の天気が[晴れ]になること」が
どのくらいの頻度で起こり得るのかを考察しよう。以下では、連続するk週の日曜日
の天気について、(1)の太郎さんが考えた確率変数のうちX1,X2,…,Xkを用いて
調べる。ただし、kは3以上300以下の自然数とする。
X1,X2,…,Xkの値を順に並べたときの0と1からなる列において、
「ちょうど3つ続けて1が現れる部分」をAとし、Aの個数を確率変数Ukで表す。
例えば、k=20とし、X1,X2,…,X20の値を順に並べたとき
1,1,1,1,0,[1,1,1],0,0,1,1,1,1,1,0,0,[1,1,1]
A A
であったとする。この例では、下線部分(ここでは[ ]で囲んだ部分)はAを示して
おり、1が4つ以上続く部分はAとはみなさないので、U20=2となる。
k=4のとき、X1,X2,X3,X4のとり得る値と、それに対応したU4の値を
書き出すと、表3のようになる。
表 3
―――――――――――┬――――
X1 X2 X3 X4 │ U4
―――――――――――┼――――
0 0 0 0 │ 0
1 0 0 0 │ 0
0 1 0 0 │ 0
0 0 1 0 │ 0
0 0 0 1 │ 0
1 1 0 0 │ 0
1 0 1 0 │ 0
1 0 0 1 │ 0
0 1 1 0 │ 0
0 1 0 1 │ 0
0 0 1 1 │ 0
1 1 1 0 │ 1
1 1 0 1 │ 0
1 0 1 1 │ 0
0 1 1 1 │ 1
1 1 1 1 │ 0
―――――――――――┴――――
ここで、Ukの期待値を求めてみよう。(1)におけるpの値をp=1/4とする。
k=4のとき、Ukの期待値は
E(U4)=[カ]/128
となる。k=5のときU5の期待値は
E(U5)=[キク]/1024
となる。
4以上のkについて、kとE(Uk)の関係を詳しく調べると、座標平面上の点
(4,E(U4)),(5,E(U5)),…,(300,E(U300))は一つの直線上にある
ことがわかる。この事実によって
E(U300)=[ケコ]/[サ]
となる。
_
※Xは「標本平均」、分数は(分子)/(分母)、xの2乗はx^2、
マーク部分の□は[ ]で表記しています。
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■ 解説目次
◆1 確率統計の解説も行います!
◆2 平均(期待値)は「値×確率」の合計
(以下略)
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■ 解説
◆1 確率統計の解説も行います!
2025年の共通テストでは、数学2Bの選択問題が1問増えて、確率統計を使う人が
多くなりそうです。というわけで、このメルマガでも第3問の解説も配信することに
しました。
数学1Aの場合の数・確率とデータの分析の発展的な内容となります。
ブログには、期待値(平均)、分散、標準偏差、二項分布、正規分布、統計的な推測
などの標準的な問題と解説も掲載しています。
基本的なやり方や公式が怪しい!という人はまずはブログの解説をご覧ください。
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◆2 平均(期待値)は「値×確率」の合計
では早速最初の設問について考えていきましょう!
「晴れ」を1,それ以外の天気を0として、確率変数Xについて考える問題となって
います。晴れの確率はp,それ以外の確率は1−pと与えられていますね。
この条件で平均(期待値)を求めます。
期待値は「値×確率」の合計だから、
(以下略)
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解説の続き・解答や公式一覧などは・・・
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