2019年12月08日

高校化学「有機物」「化合物の推定」「エステル」A

高校化学「有機物」「化合物の推定」「エステル」A

分子式C4H8O2で示される以下のエステルの構造式を答えよ。

(2) このエステルを加水分解するとカルボン酸とアルコールが得られた。このカルボン酸は銀鏡反応を示した。また、このアルコールを酸化するとケトンを生じた。



いきなりエステルの構造式を書こうとするのではなく、加水分解された化合物から考えるのがおすすめです。


解答解説はこのページ下


センター過去問





前回の問題でも解説したように、エステルは、カルボキシ基とヒドロキシ基が脱水縮合した結合をもつ有機物で、

R−C−O−R
   ||
  O

の構造をもちます。

今回の問題のエステルは加水分解すると、「銀鏡反応陽性のカルボン酸」と「酸化するとケトンを生じるアルコール」を生じる。ことが読み取れます。

銀鏡反応が陽性→還元性がある→アルデヒド基をもつ

のように考えられるようにしておくとよいです。

エステルの炭素数は4なので、その構成要素のカルボン酸の炭素数も4よりは確実に小さい数です。
炭素数の少ないカルボン酸でアルデヒド基をもつのは、ギ酸HCOOHですね。

H−C−O−H
   ||
  O

ギ酸はこのような構造をもつので、Cを含む左半分はアルデヒド基CHOと見ることができます。
だから、銀鏡反応陽性である。というわけです。


アルコールは「酸化するとケトンを生じる」ので、第2級アルコールです。
第2級アルコールは、−OHのついているCに他のCが2個ついている構造をしています。
さらに、ギ酸は炭素数1なので、このアルコールの炭素数は3のはずです。
つまり、このアルコールは、2−プロパノールで構造式は、

  H OHH
  | | |
H−C−C−C−H
  | | |
  H H H

このようになるはずです。

これらが脱水縮合してエステルを作ったと考えられるので、

      H   H
      |   |
H−C−O−C − C−H
   ||    |   |
  O H−C−H H
      |
      H

このようになります。


次の問題→銀鏡反応陽性のカルボン酸とアルデヒドを生じるアルコールのエステル


◆関連項目
脂肪族炭化水素


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posted by えま at 23:12| Comment(0) | 高校化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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