高校物理「摩擦力」粗い斜面上の加速度を求める
◆問題
水平とのなす角がθのあらい斜面があり、この斜面上に質量mの物体を置く。斜面と物体との動摩擦係数がμ、重力加速度がgのとき、斜面を滑り落ちる物体の加速度を求めよ。
解答解説はこのページ下
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◆解説
まずは力を一つ一つ図示しましょう!
斜面上に物体を描き、物体の重心から鉛直下向きに適当な長さの矢印を書きます。これが重力です。
力はF=maであり、重力加速度はgなので、重力W=mgとなります。
この重力を斜面に平行な方向と垂直な方向に分解します。
重力が対角線となるような平行四辺形(この場合は長方形)を描き、平行四辺形の辺に沿って、物体の重心から伸びる矢印とします。
水平と斜面とのなす角はθで、重力の対角線で分割された平行四辺形は相似なので、対応する角がθになります。
すると、重力の斜面に平行な方向の成分はmgsinθ,垂直な成分はmgcosθであることがわかります。
これは三角形を回転して、θを左下、直角を右下に移動した三角形を描いてみれば、わかりやすいと思います。
まずはここまでで、重力とその分力を表しました。
続いて、斜面に垂直な成分と垂直抗力はつり合っているので、N=mgcosθがわかります。
問題の設定より、物体は斜面を滑り落ちるので、摩擦力はその反対向きつまり、斜面を登る方向にはたらきます。
摩擦力はF=μNで、これにN=mgcosθを代入すると、F=μmgcosθが得られます。
重力によって斜面を滑り落ちようとする力は先ほどのmgsinθで、それを妨げる力がμmgcosθだから、物体を加速させる力はこれらの合力で(mgsinθ−μmgcosθ)となります。
これで物体にはたらく力を全て表すことができました。
物体はこれらの力を受けて斜面を滑り落ちているので、このときの加速度をaとして運動方程式ma=Fを適用すると、
ma=mgsinθ−μmgcosθ
a=gsinθ−μgcosθ ←両辺をmで割った
=g(sinθ−μcosθ) ←gでくくった
ということで、この斜面上の物体は、g(sinθ−μcosθ)の加速度で加速することがわかりました。
◆関連問題
「滑車でつながれた物体」「斜面」「摩擦力」
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2020年07月25日
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