2020年08月17日

高校物理「力学的エネルギー」斜面を滑り上がる物体

高校物理「力学的エネルギー」斜面を滑り上がる物体

◆問題

水平面に対する傾角θのなめらかな斜面がある。斜面の最下点から斜面を滑り上がるように物体を押し出すとき、その物体が斜面の最高点に達するには、初速をいくらにすれば良いか求めよ。ただし、斜面の長さをl,重力加速度をgとする。


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◆解説

何通りかの解き方が可能ですが、ここでは最も標準的と思われる、力学的エネルギーの保存を使った解き方をやってみます。

斜面がなめらかなので、物体と斜面の間の摩擦はゼロと考えられます。
このような場合は、力学的エネルギーが保存するということができます。
つまり、運動エネルギーをK,位置エネルギーをUとすると

K1+U1=K2+U2

という式が成り立ちます。

ここでは、斜面の最下点がK1,U1、斜面の最高点がK2,U2と考えて式を立てます。

斜面の最下点で物体に与える初速を聞いているので、その初速度をv0とします。
物体の質量は書いてないので、一般的にmとおきます。
最下点の高さは0とするのがノーマルです。

というわけで、

K1=(1/2)m(v0)^2,U1=0

がわかりました。


続いて、K2,U2について考えます。

「最高点までいかせる」ので、最高点では速度がゼロと考えると、K2=0です。

位置エネルギーを考えるためには、斜面の高さが必要です。
今回の問題では、傾角θで、斜面の長さがlなので、斜面の最高点の高さは、l・sinθとなります。
直角三角形において、斜辺がl,左下の角がθ、右下の角が90°だから、縦はl・sinθというわけですね。よって、

U2=mg・l・sinθ

となります。

K1+U1=K2+U2なので、

(1/2)m(v0)^2+0=0+mg・l・sinθ

両辺を2倍してmで割ると、

(v0)^2=2glsinθ
 v0=√(2glsinθ)

ということで、求める初速度は√(2glsinθ)ですね!


◆関連問題
人工衛星の力学的エネルギー


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posted by えま at 14:09| Comment(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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