高校物理「光波」「くさび形空気層の干渉」反射光が強め合う条件式
◆問題
2枚の平らなガラス板A,Bを重ね、上側のガラス板A,下側のガラス板Bの接点Oから距離l離れた位置に、厚さDの薄い物体をはさむと、細長い直角三角形の形をした空間ができる。ガラス板Aの上方から波長λの光を当てると、明暗の干渉縞が観察された。点Oから距離xだけ離れた点Pにおける空気層の厚さをdとして、次の各問いに答えよ。ただし、空気の屈折率は1,ガラス板の屈折率は1より大きいとする。
(1) m=0,1,2,…として、反射光が強め合う条件式を、m,d,λを用いて表せ。
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◆解説
いわゆる「くさび形空気層」の問題です。
このタイプの問題では、空気層が直角三角形であることから、相似な三角形の性質や三角比を用いて値を計算することも多いです。
光について学んでいる途中では、とても難しく感じると思いますが、一つ一つ丁寧に条件を把握し、式を表していきましょう!
この問題で、光はガラス板Aの上方からやってきて、まず、ガラス板Aと空気層の境界面で反射します。
ガラス板の方が空気よりも屈折率が大きいので、この場合の反射光は位相の変化はありません。
一部の光はガラス板Aと空気層の境界面で反射しますが、一部の光はそれらの境界面を通過します。
通過した光は、空気層とガラス板Bとの境界面で反射します。
このときは、ガラス板の方が空気よりも屈折率が大きいので、反射光の位相が変化し、逆位相になります。
逆位相とは波の上下が反転したものです。
逆位相の波は、もとの波では山だったところが谷に、谷だったところが山になる。というわけです。
だから、強め合う条件と弱め合う条件がちょうど逆になる。ということができます。
この問題のように、片方の位相が変わって2つの光が干渉し合う場合、
・Δd=(λ/2)×(2m+1)すなわち、経路差が半波長の奇数倍のとき強め合い、
・Δd=(λ/2)×2m=mλすなわち、経路差が波長の整数倍のとき弱め合う。
ということができます。
今回の問題では、点Pにおける空気層の厚さはdなので、空気層の上側で反射した光と空気層の下側で反射した光の経路差Δdは、空気層の厚さの往復分ということで2dとなります。
つまり、求める条件式は、
2d=(λ/2)×(2m+1)
です。
さらに、これを変形して、
2d=λ(m+1/2)
としてもよいです。
次の問題→dをx,l,Dを用いて表せ。
◆関連問題
暗線が1.0cmあたり20本観測されたときの暗線の間隔、ヤングの実験
◆関連項目
光学距離
波動まとめ
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2020年11月27日
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