高校化学「化学平衡」「電離定数」酢酸水溶液の電離定数A
◆問題
酢酸水溶液中では、次の式のような電離平衡が成立している。
CH3COOH↔CH3COO-+H+
酢酸,酢酸イオン,水素イオンのモル濃度をそれぞれ[CH3COOH],[CH3COO-],[H+]とし、酢酸の電離度は1よりも充分に小さいものとして次の問いに答えよ。
(1) 電離定数Kaを表す式を、[CH3COOH],[CH3COO-],[H+]を用いて表せ。
(2) 電離定数Kaを2.8×10^(-5)mol/Lとして、7.0×10^(-2)mol/Lの酢酸水溶液中の酢酸の電離度αを求めよ。
この記事では(2)を解説します。
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◆解説
(1)で電離定数Ka=[CH3COO-]・[H+]/[CH3COOH]であることを求めました。
(2)では、これらのモル濃度の一部が与えられていて、電離度αを求めていきます。
イオン反応式はCH3COOH↔CH3COO-+H+なので、CH3COO-とH+は、1:1の割合で生成することがわかります。
さらに、酢酸の濃度は7.0×10^(-2)mol/Lで、電離度はαなので、[CH3COO-]=[H+]=α×7.0×10^(-2)です。
平衡時にはこれだけ電離しているので、CH3COOHはその分だけ減少して、[CH3COOH]=7.0×10^(-2)−α×7.0×10^(-2)=(1−α)×7.0×10^(-2)ですが、αは充分に小さいので、1−α=1とみなして、平衡時の[CH3COOH]も7.0×10^(-2)と考えます。
電離定数は2.8×10^(-5)mol/Lだから、これらの値をKa=[CH3COO-]・[H+]/[CH3COOH]に代入すれば、αの式を作ることができますね!やってみましょう!
2.8×10^(-5)={α×7.0×10^(-2)}^2/7.0×10^(-2)
右辺を7.0×10^(-2)で約分すると、
2.8×10^(-5)=α^2×7.0×10^(-2)
両辺を入れ替えて、さらに7.0×10^(-2)で割ると、
α^2=2.8×10^(-5)/7.0×10^(-2)
=0.40×10^(-3)=4.0×10^(-4)
よって、α=2.0×10^(-2)
今回の問題では、酢酸の濃度や電離定数が数字で与えられていたので、そのまま代入して立式してみましたが、通常は、電離定数Ka,酢酸のモル濃度をc,電離度αとして、Ka=(cα^2)/(1−α)より、α=√(Ka/c)を導いて解く方が模範的です。この模範的な方の解き方は他の問題で掲載したいと思います。
この問題の最初に戻る→(1) 電離定数Kaを表す式を、[CH3COOH],[CH3COO-],[H+]を用いて表せ。
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2021年01月10日
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