2021年03月20日

高校数学「数列」階差数列を使うとき

高校数学「数列」階差数列を使うとき

先日発売した数列の書籍から1問ご紹介します。


■ 問題

  「 1,3,6,10,15,……
 この数列{an}の一般項を求めよ。」



このときは何をすれば良いでしょうか?
あまり悩まず、パッと選択肢を選んで、次のページへ!


■ 選択肢

 @ 最初の2項を見ると2増加しているから、d=2の等差数列

 A 第2項と第3項を比べると2倍だから、r=2の等比数列

 B 初項が1,第5項が15で、15倍だから・・・?あれ?

 C 2項間の差も比も一定でないので、それぞれの差を求めて式で表す


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■ 選択肢の解答

 C 2項間の差も比も一定でないので、それぞれの差を求めて式で表す

 2項間の差が一定ならば等差数列です。2項間の比が一定ならば等比数列です。どちらも一定でないならば他の方法を採る必要があります。
 そんなときはまず、それぞれの2項間の差を求めてみましょう!
  a1 a2 a3 a4 a5
an:1,3,6,10,15,…
   v v v  v
bn: 2 3 4  5
b1 b2 b3 b4
2項間の差を表す数列を階差数列といいます。この場合、2,3,4,5となっています。これはa=1,d=1の等差数列で、bn=n+1となります。
 そして、anとbnの関係を確認していくと、a2=a1+b1,a3=a2+b2=a1+b1+b2,a4=a3+b3=a1+b1+b2+b3,…となっているので、
要するに、anの一般項はa1にbnの和を足したものになる。そしてbnの方はanよりも必ず項数が1少なくなるので、

★ an=a1+Σ[k=1〜n-1]bk

となるのですね!


■ 解答解説

a1=1,階差数列の一般項はbn=n+1なので、

an=a1+Σ[k=1〜n-1]bkにそれぞれ代入すると、

an=1+Σ[k=1〜n-1](n+1)
  =1+(n−1)(n−1+1)/2+(n−1)・1  ←nにn−1を代入
  =1+(n^2−n)/2+n−1
  =(n^2+n)/2    ←通分して足した


この問題は次の書籍のP.33に掲載されています。書籍では、間違いの選択肢のコメントや計算式、類題とその解答解説も掲載しています。



◆関連項目
等差数列
一般項
数列まとめ


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ラベル:数学
posted by えま at 14:00| Comment(0) | 高校数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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