高校物理「気体の状態変化」p−VグラフA
◆問題
単原子分子からなる理想気体を容器に入れ、図のように圧力pと体積VをA→B→C→Aの順にゆっくりと変化させた。Aの温度は200K,BC間の温度は一定であり、気体定数を8.3J/(mol・K)とするとき、次の問いに答えよ。
(1) この気体の物質量は何molか。
(2) AB間で気体が吸収した熱量は何Jか。
この記事では(2)を解説します。
※図から読み取れる値とグラフの形を説明しておきます。
A・・・p=1.0×10^5[Pa],V=8.3×10^(-3)[m^3]
B・・・p=2.0×10^5[Pa],V=8.3×10^(-3)[m^3]
C・・・p=1.0×10^5[Pa],V=16.6×10^(-3)[m^3]
AB間とCA間は直線、BC間は曲線になっています。
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◆解説
AB間では体積が一定なので、「定積変化」であり、気体は外部に仕事をしたりされたりしません。
ということは、内部エネルギーの変化が得た熱量ですね。
Aでの温度は200Kとわかっているので、Bでの温度を求めれば、熱量もわかる。というわけです。
Bでの温度をTBとして、ボイル・シャルルの法則を用いると、
(1.0×10^5)×(8.3×10-3)/200=(2.0×10^5)×(8.3×10^-3)/TB
これをTBについて解けば、TB=400[K]です。
「体積一定で、圧力が2倍だから温度は2倍」と考えても良いです。
200Kから400Kになったので、ΔT=200です。
単原子分子からなる理想気体の定積モル比熱はCv=(3/2)R、気体の物質量は0.50[mol]です。
これらを「Q=nCvΔT」に代入すると、
Q=0.50×(3/2)R×200
=150R
=1245
有効数字を2桁とすれば、1.2×10^3[J]
次の問題→(3) CA間で気体がされた仕事
◆関連問題
定積変化、断熱変化、内部エネルギー、状態方程式
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2021年05月18日
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