高校物理「重心」「切り取った立方体」倒れる条件
◆問題
一様な材質で作られた一辺の長さがLの立方体が、なめらかで水平な床の上に置かれている。この立方体から、縦と横がlで奥行きがLの直方体を、床に接している1辺を含むように切り取り、残った立体をA,切り取った立体をBとするとき、次の問いに答えよ。
(立体A,Bを真横から見た参考図)
A
┌───┐
│ │ B
│ ┌┘ ┌┐
└──┘ └┘
(ご利用のフォントによっては図形が崩れますがご了承ください)
(1) 立体Aの重心の位置は、左端からどれだけ右にあるか求めよ。
(2) 立体Bの1辺を大きくしていくと、ある値l0をこえた瞬間に立体Aは倒れた。l0を求めよ。
この記事では(2)を解説します。
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◆解説
物体が静止している(倒れない)ときは、力や力のモーメントがつり合っている。ということができます。
つまり逆に言えば、力または力のモーメントがつり合わなくなれば、物体が移動したり回転したり倒れたりする。というわけです。
倒れる瞬間がどんな様子かを考えると、立体Aのへこんだ部分の角を中心に回転すると推測できますね。
この角のまわりの力のモーメントを考えると、倒れる瞬間は合計がゼロになります。
立体Aにはたらく力は、重力と垂直抗力の2つで、垂直抗力は倒れる瞬間は回転の中心である角にはたらくから「うで」の長さはゼロでモーメントもゼロ。さらに、モーメントの合計がゼロということは、重力のモーメントもゼロです。重力のモーメントがゼロならば、重力も「うで」の長さがゼロなので、立体Aの重心xGは回転の中心の角の真上にあることになります。
倒れる瞬間の立体Bの1辺がl0なので、xG=L−l0となります。
(1)で求めた立体Aの重心は、xG=(L^2+lL−l^2)/2(L+l)で、このときはl=l0です。
これらが等しいことから方程式を作って解くことができます。
L−l0=(L2+l0L−l02)/2(L+l0)
2(L+l0)(L−l0)=L2+l0L−l02
2(L2−l02)=L2+l0L−l02
2L2−202=L2+l0L−l02
l02+Ll0−L2=0
これはl0についての2次方程式と考えられるので、解の公式で解くと、
l0=L・(−1±√5)/2
が得られます。
l0は長さなので、正の数だから、
l0=L・(√5−1)/2
この問題の最初に戻る→(1)Aの重心
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2021年05月28日
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