2021年05月28日

高校物理「重心」「切り取った立方体」倒れる条件

高校物理「重心」「切り取った立方体」倒れる条件

◆問題

一様な材質で作られた一辺の長さがLの立方体が、なめらかで水平な床の上に置かれている。この立方体から、縦と横がlで奥行きがLの直方体を、床に接している1辺を含むように切り取り、残った立体をA,切り取った立体をBとするとき、次の問いに答えよ。


 (立体A,Bを真横から見た参考図)
  A
 ┌───┐
 │   │ B
 │  ┌┘ ┌┐
 └──┘  └┘

(ご利用のフォントによっては図形が崩れますがご了承ください)


(1) 立体Aの重心の位置は、左端からどれだけ右にあるか求めよ。

(2) 立体Bの1辺を大きくしていくと、ある値l0をこえた瞬間に立体Aは倒れた。l0を求めよ。


この記事では(2)を解説します。


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◆解説

物体が静止している(倒れない)ときは、力や力のモーメントがつり合っている。ということができます。
つまり逆に言えば、力または力のモーメントがつり合わなくなれば、物体が移動したり回転したり倒れたりする。というわけです。

倒れる瞬間がどんな様子かを考えると、立体Aのへこんだ部分の角を中心に回転すると推測できますね。
この角のまわりの力のモーメントを考えると、倒れる瞬間は合計がゼロになります。

立体Aにはたらく力は、重力と垂直抗力の2つで、垂直抗力は倒れる瞬間は回転の中心である角にはたらくから「うで」の長さはゼロでモーメントもゼロ。さらに、モーメントの合計がゼロということは、重力のモーメントもゼロです。重力のモーメントがゼロならば、重力も「うで」の長さがゼロなので、立体Aの重心xGは回転の中心の角の真上にあることになります。

倒れる瞬間の立体Bの1辺がl0なので、xG=L−l0となります。

(1)で求めた立体Aの重心は、xG=(L^2+lL−l^2)/2(L+l)で、このときはl=l0です。
これらが等しいことから方程式を作って解くことができます。

L−l0=(L+l0L−l0)/2(L+l0)

2(L+l0)(L−l0)=L+l0L−l0
  2(L−l0)=L+l0L−l0
   2L−20=L+l0L−l0
0+Ll0−L=0

これはl0についての2次方程式と考えられるので、解の公式で解くと、

0=L・(−1±√5)/2

が得られます。
0は長さなので、正の数だから、

0=L・(√5−1)/2


この問題の最初に戻る→(1)Aの重心


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posted by えま at 21:00| Comment(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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