2021年07月13日

高校物理「単振動」電車の中の単振り子B

高校物理「単振動」電車の中の単振り子B

◆問題

長さlの糸の一端に質量mのおもりをつけて、これを電車の天井につるして単振り子とする。重力加速度の大きさをgとして次の問いに答えよ。

(1) 電車が水平方向に等速度で走行しているとき、おもりを振動させずに静止させるならば、糸と鉛直方向とのなす角θを求めよ。また、この状態から、単振り子を小さく振らせたときの周期Tを求めよ。

(2) 電車が右方向に一定の加速度aで走行しているとき、鉛直方向と振動の中心とのなす角をθとして、tanθの値を求めよ。

(3) (2)のときの単振り子の周期をl,g,aを用いて表せ。


この記事では(3)を解説します。


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◆解説

単振り子の周期は、T=2π√(l/g)ですね。

加速度運動をしている電車の中では、振動の中心が移動する、すなわち、(見かけの)重力加速度はgではなくなる。ということができます。

(2)で求めたように、aの加速度で加速している電車の中では、振動の中心は鉛直下向きからtanθ=a/gだけ傾きます。
その分だけ見かけの重力加速度が大きくなります。

振動の中心でおもりが受ける力は、慣性力maと重力mgで、これらの合力が糸と同一直線上の向きに受ける力、すなわち、見かけの重力となります。
見かけの重力加速度をg'とすると、

mg'=√{(ma)^2+(mg)^2}=m√(a^2+g^2)

よって、g'=√(a^2+g^2)です。

これを単振り子の周期の式に代入すると、

T=2π√{l/√(a+g)}


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◆関連項目
ばね定数kの鉛直ばね振り子
単振動まとめ


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posted by えま at 12:00| Comment(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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