2021年09月16日

高校物理「電気」「キルヒホッフの法則」電源2つ、抵抗3つの回路

高校物理「電気」「キルヒホッフの法則」電源2つ、抵抗3つの回路

図の電気回路で、E1=6.4V,E2=2.0V,R1=5.0Ω,R2=2.0Ω,R3=4.0Ωのとき、それぞれの抵抗を流れる電流の向きと大きさを求めよ。ただし、E1,E2はいずれも上側が正極、下側が負極で、電源の内部抵抗は無視できるものとする。

    R1
┌───┐
|   □ R2
E1  ├─ □ ─┐
|   □   E2
└───┴───┘   
   R3

※E1,E2は電源、それぞれの□が抵抗を表すものとする


共通テスト・センター過去問



このように、電源が複数ある場合の電流について考えるときは、キルヒホッフの法則を使って考えるとよいです。
見方は一つではありませんが、この場合は、「E1〜R1〜R3」「E2〜R2〜R3」の2つの「閉じた回路」が重ね合わせされている。と考えるとわかりやすいと思います。

まず、E1を含む左半分の「E1〜R1〜R3」に注目すると、

E1で上昇した電位は、R1,R3でそれぞれ電位降下してゼロになりE1の負極に戻ってくる。

というわけです。

右半分も同様に考えると、E2で上昇した電位は、R2,R3を経てゼロになりE2に戻ってくるわけですね。

R1,R2,R3それぞれを流れる電流をI1,I2,I3として、以上の内容を式に表すと、

まずは左半分については、6.4=5.0I1+4.0I3 ・・・@
右半分については、2.0=2.0I2+4.0I3  ・・・A

これら2つの式が成り立ちます。

また、左半分と右半分の電流が合流してI3を流れているので、I1+I2=I3・・・B
も成り立ちます。

これら3つの式を連立して解けば、それぞれに流れる電流がわかりますね!

Bより、I1=I3−I2
これを@に代入すると、

6.4=5.0(I3−I2)+4.0I3
6.4=5.0I3−5.0I2+4.0I3
6.4=−5.0I2+9.0I3  ・・・C

C×2+A×5より、
12.8+10=−10I2+18I3+10I2+20I3
   22.8=38I3
     I3=22.8/38=0.60

これを@に代入すると、
  6.4=5.0I1+2.4
5.0I1=4.0
   I1=0.80

Aに代入すると、
  2.0=2.0I2+2.4
2.0I2=−0.40
   I2=−0.20

というわけで、I1=0.80A,I2=−0.20A,I3=0.60A

回路図を見直してみると、

R1には下向きに0.80A,R2には右向きに0.20A,R3には下向きに0.60Aの電流が流れることがわかります。


◆関連項目
キルヒホッフの法則
電気・磁気まとめ


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posted by えま at 21:00| Comment(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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