高校物理「電気」「キルヒホッフの法則」電源2つ、抵抗3つの回路
図の電気回路で、E1=6.4V,E2=2.0V,R1=5.0Ω,R2=2.0Ω,R3=4.0Ωのとき、それぞれの抵抗を流れる電流の向きと大きさを求めよ。ただし、E1,E2はいずれも上側が正極、下側が負極で、電源の内部抵抗は無視できるものとする。
R1
┌───┐
| □ R2
E1 ├─ □ ─┐
| □ E2
└───┴───┘
R3
※E1,E2は電源、それぞれの□が抵抗を表すものとする
共通テスト・センター過去問
このように、電源が複数ある場合の電流について考えるときは、キルヒホッフの法則を使って考えるとよいです。
見方は一つではありませんが、この場合は、「E1〜R1〜R3」「E2〜R2〜R3」の2つの「閉じた回路」が重ね合わせされている。と考えるとわかりやすいと思います。
まず、E1を含む左半分の「E1〜R1〜R3」に注目すると、
E1で上昇した電位は、R1,R3でそれぞれ電位降下してゼロになりE1の負極に戻ってくる。
というわけです。
右半分も同様に考えると、E2で上昇した電位は、R2,R3を経てゼロになりE2に戻ってくるわけですね。
R1,R2,R3それぞれを流れる電流をI1,I2,I3として、以上の内容を式に表すと、
まずは左半分については、6.4=5.0I1+4.0I3 ・・・@
右半分については、2.0=2.0I2+4.0I3 ・・・A
これら2つの式が成り立ちます。
また、左半分と右半分の電流が合流してI3を流れているので、I1+I2=I3・・・B
も成り立ちます。
これら3つの式を連立して解けば、それぞれに流れる電流がわかりますね!
Bより、I1=I3−I2
これを@に代入すると、
6.4=5.0(I3−I2)+4.0I3
6.4=5.0I3−5.0I2+4.0I3
6.4=−5.0I2+9.0I3 ・・・C
C×2+A×5より、
12.8+10=−10I2+18I3+10I2+20I3
22.8=38I3
I3=22.8/38=0.60
これを@に代入すると、
6.4=5.0I1+2.4
5.0I1=4.0
I1=0.80
Aに代入すると、
2.0=2.0I2+2.4
2.0I2=−0.40
I2=−0.20
というわけで、I1=0.80A,I2=−0.20A,I3=0.60A
回路図を見直してみると、
R1には下向きに0.80A,R2には右向きに0.20A,R3には下向きに0.60Aの電流が流れることがわかります。
◆関連項目
キルヒホッフの法則
電気・磁気まとめ
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2021年09月16日
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