高校化学「芳香族化合物」化合物の識別@
次の化合物の組み合わせを識別できる試薬を、選択肢より選んで答えよ。
(1) アニリンとニトロベンゼン
(2) フェノールとサリチル酸
[選択肢]
水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化鉄(V)水溶液、アンモニア性硝酸銀水溶液、さらし粉水溶液
共通テスト・センター過去問
芳香族化合物の識別も、高校化学の重要ポイントの一つです。
それぞれの物質や試薬の性質を覚えるしかないので、問題に登場する代表的なものをしっかり覚えていきましょう!
まずはそれぞれの試薬の特徴を挙げておきます。
水酸化ナトリウム水溶液・・・強塩基なので、酸と反応する
炭酸水素ナトリウム水溶液・・・炭酸水素ナトリウムは強塩基と弱酸の塩なので、炭酸より強い酸とは反応する
塩化鉄(V)水溶液・・・フェノール性ヒドロキシ基をもつ化合物で赤〜青紫に呈色する
アンモニア性硝酸銀水溶液・・・還元性をもつ化合物と反応する(銀鏡反応)
さらし粉(次亜塩素酸カルシウム)水溶液・・・アニリンで赤紫色に呈色する
というわけで、
(1) アニリンとニトロベンゼンを識別するには、さらし粉水溶液が適しています。
(2) フェノールはもちろん塩化鉄(V)水溶液で呈色します。サリチル酸は−OHを持っているので、フェノールと同様に塩化鉄(V)水溶液で呈色します。だから、塩化鉄(V)水溶液では識別できません。
また、どちらも酸の性質を持っているので、水酸化ナトリウム水溶液には溶けます。これも識別できません。
サリチル酸は−COOHを持っていて、これは炭酸より強い酸なので、炭酸水素ナトリウム水溶液とは反応します。
フェノールは炭酸より弱い酸なので、炭酸水素ナトリウム水溶液とは反応しません。
ということで、フェノールとサリチル酸を識別するには、炭酸水素ナトリウム水溶液が適しています。
次の問題→ベンゼンとベンズアルデヒド、サリチル酸とアセチルサリチル酸
◆関連問題
芳香族化合物の分離
芳香族化合物まとめ
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2021年09月27日
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