高校化学「芳香族化合物」化合物の識別A
次の化合物の組み合わせを識別できる試薬を、選択肢より選んで答えよ。
(1) アニリンとニトロベンゼン
(2) フェノールとサリチル酸
(3) ベンゼンとベンズアルデヒド
(4) サリチル酸とアセチルサリチル酸
[選択肢]
水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化鉄(V)水溶液、アンモニア性硝酸銀水溶液、さらし粉水溶液
この記事では(3), (4)を解説します。
共通テスト・センター過去問
芳香族化合物の識別も、高校化学の重要ポイントの一つです。
それぞれの物質や試薬の性質を覚えるしかないので、問題に登場する代表的なものをしっかり覚えていきましょう!
まずはそれぞれの試薬の特徴を挙げておきます。
水酸化ナトリウム水溶液・・・強塩基なので、酸と反応する
炭酸水素ナトリウム水溶液・・・炭酸水素ナトリウムは強塩基と弱酸の塩なので、炭酸より強い酸とは反応する
塩化鉄(V)水溶液・・・フェノール性ヒドロキシ基をもつ化合物で赤〜青紫に呈色する
アンモニア性硝酸銀水溶液・・・還元性をもつ化合物と反応する(銀鏡反応)
さらし粉(次亜塩素酸カルシウム)水溶液・・・アニリンで赤紫色に呈色する
(3) ベンゼンとベンズアルデヒド
ベンズアルデヒドはアルデヒド基を持っているので還元性があり、銀鏡反応陽性です。
というわけで、アンモニア性硝酸銀水溶液で、これらは識別できます。
(4) サリチル酸とアセチルサリチル酸
サリチル酸はC6H4(OH)COOHなので、フェノール性ヒドロキシ基とカルボキシ基を持っています。
アセチルサリチル酸はC6H4(OCOCH3)COOHなので、カルボキシ基はありますが、ヒドロキシ基がアセチル化されています。つまり、フェノール類の性質を失っている。ということができます。
だからこれらを識別するには、フェノール性ヒドロキシ基で呈色する塩化鉄(V)水溶液が適している。と考えられます。
前の問題→アニリンとニトロベンゼン、フェノールとサリチル酸
◆関連問題
芳香族化合物の分離
芳香族化合物まとめ
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2021年09月29日
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