2021年12月13日

高校数学「積分」∫(1/sinx)dxの不定積分

高校数学「積分」∫(1/sinx)dxの不定積分

■ 問題

∫(1/sinx)dxの不定積分を求めよ。


三角関数の積分は、やりやすい形になるよう変形が必要な場合が多いです。


解答解説はこのページ下です。





■ 解答解説

∫tanxdxの不定積分と同様に、分子と分母にサインとコサインが出てくる形を目指します。

そうなれば、置換積分法や対数関数の微分の逆の、∫{f'(x)/f(x)}dx=log|f(x)|+Cを使うことができる。というイメージです。


1/sinx=sinx/sin2xとすれば、三角関数の相互関係より、

sinx/(1−cos2x)

このように直すことができます。

例えばcosx=tとおくと、t'=−sinxすなわちdt/dx=−sinxだから、dt=−sinxdxです。
さらに符号を変えて、−dt=sinxdxとしておくと扱いやすいです。

与式にここまでの式を当てはめると、

 ∫(1/sinx)dx
=∫(sinx/sin2x)dx
=∫{sinx/(1−cos2x)}dx
=−∫{1/(1−t2)}dt  ←sinxdx=−dtで置き換えた
=∫{1/(t2−1)}dt

とりあえずここまできました。
積分では、次数が低くないと計算が大変なので、なるべく1次式になることを目指します。
分母が因数分解できるのでやってみると、

=∫{1/(t−1)(t+1)}dt

1/(t−1)−1/(t+1)={t+1−(t−1)}/{(t−1)(t+1)}=2/(t−1)(t+1)だから、
1/(t−1)(t+1)=(1/2){1/(t−1)−1/(t+1)}
つまり、

=(1/2)∫{1/(t−1)−1/(t+1)}dt

このように変形できます。部分分数分解の手法ですね。
(t−1)'=1,(t+1)'=1だから、∫{f'(x)/f(x)}dx=log|f(x)|+Cを使って、

=(1/2)(log|t−1|−log|t+1|)+C
=(1/2)log|(t−1)/(t+1)|+C

最後はtをcosxに戻して、

=(1/2)・log|(cosx−1)/(cosx+1)|+C


◆関連項目
三角関数の相互関係不定積分合成関数の微分対数関数の微分
微分積分(数学3)まとめ


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ラベル:数学
posted by えま at 12:00| Comment(0) | 高校数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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