高校化学「有機物」「化合物の推定」「エステル」B
分子式C4H8O2で示される以下のエステルの構造式を答えよ。
(3) このエステルを加水分解するとカルボン酸とアルコールが得られた。このカルボン酸は、銀鏡反応を示した。このアルコールを酸化するとアルデヒドを生じた。
いきなりエステルの構造式を書こうとするのではなく、加水分解された化合物から考えるのがおすすめです。
解答解説はこのページ下
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エステルは、カルボキシ基とヒドロキシ基が脱水縮合した結合をもつ有機物で、
R−C−O−R
||
O
の構造をもちます。
今回の問題のエステルは加水分解すると、「銀鏡反応陽性のカルボン酸」と「酸化するとアルデヒドを生じるアルコール」を生じる。ことが読み取れます。
銀鏡反応が陽性→還元性がある→アルデヒド基をもつ
と考えられます。
エステルの炭素数は4なので、その構成要素のカルボン酸の炭素数も4よりは確実に小さい数です。
炭素数の少ないカルボン酸でアルデヒド基をもつのは、ギ酸HCOOHですね。
H−C−O−H
||
O
ギ酸はこのような構造をもつので、Cを含む左半分はアルデヒド基CHOと見ることができます。
だから、銀鏡反応陽性である。というわけです。
アルコールは「酸化するとアルデヒドを生じる」ので、第1級アルコールです。
第1級アルコールは、−OHのついているCに他のCが1個ついている構造をしています。
さらに、ギ酸は炭素数1なので、このアルコールの炭素数は残りの3個のはずです。
これらの条件を満たすアルコールは、1−プロパノールで構造式は、
HO H H
| | |
H−C−C−C−H
| | |
H H H
このようになるはずです。
これらが脱水縮合してエステルを作ったと考えられるので、
H H H
| | |
H−C−O−C−C−C−H
|| | | |
O H H H
このようになります。
この問題の最初に戻る→沸点が78℃のアルコールと酢酸のエステル
◆関連項目
脂肪族炭化水素
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2022年01月25日
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