2022年01月25日

高校化学「有機物」「化合物の推定」「エステル」B

高校化学「有機物」「化合物の推定」「エステル」B

分子式C4H8O2で示される以下のエステルの構造式を答えよ。

(3) このエステルを加水分解するとカルボン酸とアルコールが得られた。このカルボン酸は、銀鏡反応を示した。このアルコールを酸化するとアルデヒドを生じた。



いきなりエステルの構造式を書こうとするのではなく、加水分解された化合物から考えるのがおすすめです。


解答解説はこのページ下


共通テスト対策ならコレ!私立大対策にも役立ちます!



エステルは、カルボキシ基とヒドロキシ基が脱水縮合した結合をもつ有機物で、

R−C−O−R
   ||
  O

の構造をもちます。

今回の問題のエステルは加水分解すると、「銀鏡反応陽性のカルボン酸」と「酸化するとアルデヒドを生じるアルコール」を生じる。ことが読み取れます。

銀鏡反応が陽性→還元性がある→アルデヒド基をもつ

と考えられます。

エステルの炭素数は4なので、その構成要素のカルボン酸の炭素数も4よりは確実に小さい数です。
炭素数の少ないカルボン酸でアルデヒド基をもつのは、ギ酸HCOOHですね。

H−C−O−H
   ||
  O

ギ酸はこのような構造をもつので、Cを含む左半分はアルデヒド基CHOと見ることができます。
だから、銀鏡反応陽性である。というわけです。


アルコールは「酸化するとアルデヒドを生じる」ので、第1級アルコールです。
第1級アルコールは、−OHのついているCに他のCが1個ついている構造をしています。
さらに、ギ酸は炭素数1なので、このアルコールの炭素数は残りの3個のはずです。
これらの条件を満たすアルコールは、1−プロパノールで構造式は、

 HO H H
  | | |
H−C−C−C−H
  | | |
  H H H

このようになるはずです。

これらが脱水縮合してエステルを作ったと考えられるので、

      H H H
      | | |
H−C−O−C−C−C−H
   ||    | | |
  O   H H H

このようになります。


この問題の最初に戻る→沸点が78℃のアルコールと酢酸のエステル


◆関連項目
脂肪族炭化水素


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 20年以上の実績。全学年、英・数・理をはじめ全教科対応
  最高級の指導を提供します!メール添削も好評です!

プロ家庭教師の江間です。    AE個別学習室(えまじゅく)
http://www.a-ema.com/k/     http://www.a-ema.com/j/
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
posted by えま at 12:00| Comment(0) | 高校化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

こんなヤツです
名前:江間淳
年齢:41
職業:プロ家庭教師、AE個別学習室(えまじゅく)代表、翻訳者
ウェブサイトURL:http://www.a-ema.com/
メールアドレス:j@a-ema.com
一言:アプリ、メルマガ、電子書籍提供中です。アマゾンやGooglePlayで「江間淳」で検索!
江間淳の書籍一覧 → http://amzn.to/2m9LTvN