2022年01月30日

高校物理「熱力学」立方体容器内の気体の力など@

高校物理「熱力学」立方体容器内の気体の力など@

◆問題

一辺の長さがLの立方体容器を安定した水平面上に置き、左下の頂点を原点Oとし、左右方向をx軸、前後方向をy軸、上下方向をz軸とする。この立方体容器に、質量mの気体分子がN個入っている。分子は、容器内の壁と弾性衝突するものとして、次の問いに答えよ。

(1) 1個の分子の速度のx成分をvxとする。立方体容器の壁のうち、yz平面に平行でx軸に垂直な壁が1個の分子から受ける力の大きさfを求めよ。


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◆解説

分子は壁で跳ね返るときに弾性衝突するので、衝突の前後で速さは変化しません。
そして、「力積=運動量の変化」の関係が成り立ちます。

衝突前のx軸方向の運動量は、mvxですね。
衝突後も速さは変わらないので、運動量の大きさはmvxです。
反対向きになったので、運動量の変化量は2mvxとなります。
つまり、1回の分子の衝突で壁が受ける力積は2mvxです。

壁で跳ね返った分子が再び同じ壁に到達するまでの時間は、
「立方体の往復の距離2Lを速さvxで進む時間」だから、2L/vxです。
つまり、2L/vxだけの時間が経過する度に、この気体分子はこの壁に衝突します。

一定の時間tの間に衝突する回数は、t÷(2L/vx)=vxt/2Lです。

だから、時間tの間に壁が受ける力積は2mvx・vxt/2Lです。
ということで、

ft=2mvx・vxt/2L
ft=m・vx2t/L
 f=mvx2/L


次の問題→壁がN個の分子全体から受ける力


◆関連項目
熱力学まとめ


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posted by えま at 17:00| Comment(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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