2022年03月14日

高校化学「有機物」4つのエステルの示性式

高校化学「有機物」4つのエステルの示性式

■問題

互いに異性体の関係であり、炭素、水素、酸素からなるエステルA〜D関して次のことがわかっている。
・33.0mgのAを完全燃焼させると、二酸化炭素66.0mgと水27.0mgを生じた。
・4.40gのAをベンゼン100gに溶かした溶液の凝固点は、ベンゼンよりも2.56℃低かった。
・A,Bを加水分解すると、それぞれ銀鏡反応を示す化合物Eが得られた。
・Aを加水分解して得られるアルコールを酸化すると、ケトンが得られた。
・C加水分解するとカルボン酸FとアルコールGが生じ、Gを酸化するとFが生じた。

(1) Aの分子式を求めよ。ただし、ベンゼンのモル凝固点降下は5.12K・kg/molである。

(2) エステルA〜Dの示性式を推定せよ。


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■解答

エステルA〜Dは「互いに異性体」であるので、分子式は同じです。

(1)から、Aの分子式はC4H8O2であることがわかっています。
ということは、B,C,Dも全てC4H8O2です。
この組み合わせが異なるので、性質も異なっている。と考えられます。

それぞの性質から言えることを整理していきましょう!

・A,Bを加水分解すると、それぞれ銀鏡反応を示す化合物Eが得られた。
→A,Bを分解した化合物は、アルデヒド基などの還元性を示す官能基を持つ。

・Aを加水分解して得られるアルコールを酸化すると、ケトンが得られた。
→このアルコールは第2級アルコールである。

・C加水分解するとカルボン酸FとアルコールGが生じ、Gを酸化するとFが生じた。
→Cはカルボン酸とアルコールのエステルで、Gは第1級アルコールであり、FとGの炭素数は同じ。

もともとA〜Dはエステルですね。つまり、カルボン酸とアルコールが脱水縮合した化合物です。

A,Bを分解するとアルデヒドの性質も示す。ということは、カルボン酸がアルデヒドの性質も示す化合物だった。と推定できます。
カルボン酸なのにアルデヒドの性質も示すのは・・・
「ギ酸HCOOH」ですね。
ということは、Aはギ酸と第2級アルコールのエステルであるとわかります。
エステルの分子式がC4H8O2であることに注意すると、この「加水分解」は、

HCOOCH(CH3)2+H2O→HCOOH+(CH3)2CHOH

このような化学反応式で表されるとわかります。
つまり、Aの示性式は「HCOOCH(CH3)2」です。


BもAの異性体なので、含まれる原子の個数は同じであり、加水分解したらギ酸ができることも同じなので、アルコールの分子式も同じです。
同じ分子式で異なる示性式のアルコールはCH3CH2CH2OHだから、
Bの示性式は「HCOOCH2CH2CH3」となります。


Cは銀鏡反応陽性ではなかったので、カルボン酸はギ酸ではありません。
そして、炭素数は同じだから、炭素数2のカルボン酸と炭素数2のアルコールに加水分解された。と推定できます。
炭素数2のカルボン酸はCH3COOHで、アルコールはCH3CH2OHですね。
これらのエステルは「CH3COOCH2CH3」です。これがCの示性式です。


残るDは、C4H8O2で表されるエステルのうちの「残り」です。
炭素数3のカルボン酸と炭素数1のアルコールの組み合わせが残っています。
CH3CH2COOHとCH3OHですね。
これらのエステルは「CH3CH2COOCH3」であり、これがDの示性式です。


(1)に戻る→Aの分子式


◆関連項目
アルコールアルデヒドケトンカルボン酸エステル銀鏡反応異性体
脂肪族炭化水素

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posted by えま at 21:00| Comment(0) | 高校化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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