高校物理「電子と光」ミリカンの実験A
◆問題
鉛直方向に一様な電場をかけることができる極板P,Qを、参考図のように設置した。この極板間に帯電した油滴を漂わせ、その速度を測定することで電荷を調べるとする。
質量m,電荷qの油滴Aが速さvで運動するとき、油滴にはkvの空気抵抗がはたらく。重力加速度の大きさをg,電荷q>0として、次の問いに答えよ。
(1) 極板PQ間の電場を0にして一定の時間が経過すると、油滴Aは一定の速さv1で落下した。このとき油滴Aにはたらく力のつりあいの式を示せ。
(2) 極板PQ間に、鉛直上向きに強さEの電場をかけて一定の時間が経過すると、油滴Aは一定の速さv2で上昇した。このとき油滴Aにはたらく力のつりあいの式を示せ。
参考図
P――――――
A○
Q――――――
この記事では(2)を解説します。
↓教科書の内容の習得から共通テストに対応する実力をつけるためには↓
良問の風物理頻出・標準入試問題集 (河合塾シリーズ)
帯電させた霧状の油滴の速度を計測するなどして、油滴の電荷を求め、それらの値をもとに電気素量eを求めた。という有名なミリカンの実験の問題です。
(1)では電場はゼロでしたが、今回の(2)では、極板間の電場はEです。
油滴Aは電荷qに帯電しているので、電場から力を受けます。
その結果v2の速さで上昇した。というわけですね。
力を整理すると、油滴Aには、
鉛直下向きには重力と空気抵抗
鉛直上向きには静電気力
がはたらいていると判断できるはずです。
この場合油滴Aは上昇しているので、空気抵抗は鉛直下向きです。
重力は電場があってもなくても変わらないのでmgです。
空気抵抗はkvで、この場合はv=v2なので、kv2です。
静電気力はF=qE
これらがつり合っているので、
qE=mg+kv2
次の問題→油滴の電荷
◆関連項目
電気量の測定値から電気素量を求める問題
原子まとめ、電気・磁気まとめ
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2022年03月30日
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