高校化学「高分子化合物」グリシンの等電点の計算
■問題
グリシンは水溶液中で、
H3N+−CH2−COOH,H3N+−CH2−COO-,H2N−CH2−COO-
の形で存在し、以下の式の電離平衡が成り立つ。
H3N+−CH2−COOH⇄H3N+−CH2−COO-+H+ ……@
H3N+−CH2−COO-⇄H2N−CH2−COO-+H+ ……A
@,Aの電離定数をそれぞれK1,K2とすると、K1=4.0×10-3mol/L,K2=2.5×10-10mol/Lであるとする。
このとき、グリシンの等電点を求めよ。
大学受験を見据えた日々の学習におすすめの問題集です。
化学の良問問題集[化学基礎・化学]
■解答
電離定数が与えられているので、電離平衡の式を立ててみましょう!
「A⇄B+C」の形なので、K=[B][C]/[A]が成り立ちます。
つまり、
K1=[H3N+−CH2−COO-][H+]/[H3N+−CH2−COOH]
K2=[H2N−CH2−COO-][H+]/[H3N+−CH2−COO-]
です。
それぞれの式が長いので、ちょっと気づきにくいかも知れませんが、K1とK2をかけると、[H3N+−CH2−COO-]が相殺して消えます。やってみると、
K1×K2=([H2N−CH2−COO-]/[H3N+−CH2−COOH])×[H+]2
ですね。
そして等電点では、アミノ酸の陽イオンと陰イオンの濃度が等しくなるので、
[H3N+−CH2−COOH]=[H2N−CH2−COO-]
です。
だから、さらに約分して消えて、
K1×K2=[H+]2
となります。
ここまでくれば、あとは数字を代入して計算でOK!ですね!
K1=4.0×10-3mol/L,K2=2.5×10-10mol/Lだから、
[H+]2=4.0×10-3×2.5×10-10=10×10-13
よって、[H+]=1.0×10-6
水素イオン濃度が1.0×10-6なので、pH=6です。
◆関連項目
アミノ酸,pH(水素イオン濃度指数)
高分子化合物
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2022年04月25日
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