2022年04月25日

高校化学「高分子化合物」グリシンの等電点の計算

高校化学「高分子化合物」グリシンの等電点の計算

■問題

グリシンは水溶液中で、

3+−CH2−COOH,H3+−CH2−COO-,H2N−CH2−COO-

の形で存在し、以下の式の電離平衡が成り立つ。

3+−CH2−COOH⇄H3+−CH2−COO-+H+ ……@
3+−CH2−COO-⇄H2N−CH2−COO-+H+ ……A

@,Aの電離定数をそれぞれK1,K2とすると、K1=4.0×10-3mol/L,K2=2.5×10-10mol/Lであるとする。

このとき、グリシンの等電点を求めよ。


大学受験を見据えた日々の学習におすすめの問題集です。

化学の良問問題集[化学基礎・化学]


■解答

電離定数が与えられているので、電離平衡の式を立ててみましょう!

「A⇄B+C」の形なので、K=[B][C]/[A]が成り立ちます。
つまり、

K1=[H3+−CH2−COO-][H+]/[H3+−CH2−COOH]
K2=[H2N−CH2−COO-][H+]/[H3+−CH2−COO-]

です。
それぞれの式が長いので、ちょっと気づきにくいかも知れませんが、K1とK2をかけると、[H3+−CH2−COO-]が相殺して消えます。やってみると、

K1×K2=([H2N−CH2−COO-]/[H3+−CH2−COOH])×[H+]2

ですね。

そして等電点では、アミノ酸の陽イオンと陰イオンの濃度が等しくなるので、

[H3+−CH2−COOH]=[H2N−CH2−COO-]

です。
だから、さらに約分して消えて、

K1×K2=[H+]2

となります。
ここまでくれば、あとは数字を代入して計算でOK!ですね!
K1=4.0×10-3mol/L,K2=2.5×10-10mol/Lだから、

[H+]2=4.0×10-3×2.5×10-10=10×10-13
よって、[H+]=1.0×10-6

水素イオン濃度が1.0×10-6なので、pH=6です。


◆関連項目
アミノ酸pH(水素イオン濃度指数)
高分子化合物


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posted by えま at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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