2022年06月01日

高校物理「万有引力」地上から物体を打ち上げ、落下するときの初速

高校物理「万有引力」地上から物体を打ち上げ、落下するときの初速

◆問題

地球の表面から、ある初速度で鉛直上方物体を打ち上げる。地球の半径をR,地表での重力加速度の大きさをgとして、次の問いに答えよ。

(1) 初速度v1でこの物体を打ち上げたとき、この物体は地表から高さhの点まで上昇し、地面に向かって落下した。このようなv1を求めよ。


解答解説はこのページ下


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◆解説

地表から打ち上げられた物体がある点に達し、落下して地上まで落ちてくる場合について考えます。
こうなるのは、速さが充分でないからですね。
もし充分に速ければ、地球の重力圏を脱して、はるか遠くまで飛び去ることができるはずです。
これはどんな条件を満たしている場合かといえば・・・

「最高点での力学的エネルギーがマイナス」
→「運動エネルギーがゼロになったときの位置エネルギーがマイナス」

です。
物体は、打ち上げられた瞬間から地表に再び接触するまで力学的エネルギーの保存が成り立つと考えて、物体の質量をm,地球の質量をMとして、

(1/2)mv^2+(−G・Mm/R)=−G・Mm/(R+h)

このような式が成り立ちます。
速さを求めるので、これをvについて解きます。

まず両辺に2をかけてmで割ると、

v^2−2GM/R=−2GM/(R+h)

移項して、通分して、まとめて、

v^2=2GM/R−2GM/(R+h)
  ={2GM(R+h)−2GMR}/R(R+h)
  =2GMh/R(R+h)

両辺の平方根をとれば、

v=√{2GMh/R(R+h)}

これが打ち出した速さなので、

v1=√(2GMh/R(R+h)}


次の問題→第2宇宙速度を求める


◆関連項目
万有引力による位置エネルギー
円運動・単振動・万有引力まとめ


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posted by えま at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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