高校物理「万有引力」物体が飛び去るとき(第2宇宙速度)
◆問題
地球の表面から、ある初速度で鉛直上方物体を打ち上げる。地球の半径をR,地表での重力加速度の大きさをgとして、次の問いに答えよ。
(1) 初速度v1でこの物体を打ち上げたとき、この物体は地表から高さhの点まで上昇し、地面に向かって落下した。このようなv1を求めよ。
(2) 初速度v2でこの物体を打ち上げたとき、この物体は無限遠まで飛び去るという。このようなv2を求めよ。
解答解説はこのページ下
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◆解説
打ち上げの速度が充分に速く、物体が地球の重力圏を脱する場合について考える問題です。
無限遠を位置エネルギーの基準すると、地上の物体の位置エネルギーは−G・Mm/Rとなります。
そして、この無限遠に達するとき位置エネルギーがちょうどゼロになると、そこから地球に向かって落下せずに宇宙空間に留まると考えられます。
物体の質量をm,地球の質量をMとすると、
(1/2)mv^2+(−G・Mm/R)=0
という式が成り立ちます。
この問題では速さを聞いているので、この式をvについて解けばOKですね!
まずは両辺に2をかけてmで割ると、
v^2−2GM/R=0
あとは移項して平方根を求めます。
v^2=2GM/R
v=√(2GM/R)
問題文ではMは与えられていないので、消去したいところです。
万有引力の式mg=G・Mm/R^2から、GM=gR^2なので、
v=√(2gR^2/R)
=√(2gR)
これが無限遠で位置エネルギーがちょうどゼロになる場合の初速度だから、
v2=√(2gR)
このように打ち上げた物体が飛び去るような速さを第2宇宙速度といいます。
前の問題→物体が地球に落下するときの初速
◆関連項目
万有引力、万有引力による位置エネルギー、第2宇宙速度
円運動・単振動・万有引力まとめ
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2022年06月02日
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