2022年09月02日

高校物理「運動量の保存」ばねで連結された小球の衝突B

高校物理「運動量の保存」ばねで連結された小球の衝突B

◆問題

小球A,B,Cがあり、小球AとBはばね定数kの軽いばねで連結されている。小球AとCの質量はm,小球Bの質量はMとする。小球A,B,Cはなめらかな水平面上にこの順に並べられ、小球Aは左側が壁に接している。

参考図

│A〜〜B  C
└────────

(1) 小球Cが左向きに一定の速さv0で進み、小球Bと弾性衝突した。この衝突直後の小球Bの速さVを、m,M,v0を用いて表せ。

(2) (1)の衝突の直後から、Bの運動に伴い、ばねはいったん縮んだ後、再び伸びて自然長に戻る。この間に壁が小球Aに与える力積の大きさを、Vを用いて表せ。

(3) ばねが自然長に戻った後、Aは壁を離れ、ばねは伸縮を繰り返しながら、全体として右向きに移動する。このとき、ばねが最も縮んだときの自然長からの縮みを求めよ。


この記事では(3)を解説します。


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◆解説

問題文にもありますが、バネが縮んで伸びて、自然長に戻った後は、Aがバネに引っ張られる形になり、AとバネとBは一体となって伸び縮みしながら右に動いていきます。

バネが最も縮んだときは、Aから見たBの相対速度はゼロになるので、このときはAとBの速さは同じになります。
このときのAとBの速さをV’とすれば、運動量保存の式を立てることができます。

Aが壁から離れる瞬間は、Aの速さはゼロ、Bの速さはVだから、

m×0+MV=mV’+MV’
   MV=(m+M)V’
よって、V’=MV/(m+M)

さらに、力学的エネルギーの保存の式を立てることもできます。
「最も縮んだとき」のバネの縮みをxとすると、

K1+U1=K2+U2で、速さの条件は運動量の場合と同じだから、

0+(1/2)MV2+0=(1/2)mV’2+(1/2)MV’2+(1/2)kx2

まず両辺を2倍して、MV2=mV’2+MV’2+kx2

あとはxについて解いていきます。

kx2=MV2−mV’2−MV’2
 x2=(1/k)(MV2−mV’2−MV’2)
 x2=(1/k){MV2−V’2(m+M)}

V’=MV/(m+M)を代入して、V’を消去して、

 x2=(1/k){MV2−(m+M)M22/(m+M)2}
 x2=(1/k){MV2−M22/(m+M)}
 x2=(1/k){(m+M)MV2/(m+M)−M22/(m+M)}
 x2=(1/k){mMV2/(m+M)}

さらに整理すると、

 x2=mMV2/k(m+M)

よって、x=√{mMV2/k(m+M)}=V√{mM/k(m+M)}


この問題の最初に戻る→衝突直後のBの速さ


■関連項目
力のモーメント・運動量まとめ


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posted by えま at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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