2022年10月27日

高校物理「波動」「ドップラー効果」反射板が動くときA

高校物理「波動」「ドップラー効果」反射板が動くときA

◆問題

観測者O,音源S,反射板Rが一直線上に並んでいる。O,Sは静止し、Rは速さvで左向きに移動している。
音源の出す音の振動数をf,音速をVとして次の問いに答えよ。

(1) 風が吹いていないとき、観測者Oが聞く、反射板Rによる反射音の振動数を求めよ。

(2) 左向きに一定の速さwの風が吹いているとき、観測者Oが聞く、反射板Rによる反射音の振動数を求めよ。ただし、V>wとする。


この記事では(2)を解説します。


参考図

       ←
 O  S  R
 |  ▼  |
―――――――――


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◆解説

ドップラー効果の問題です。
観測者が聞く音の振動数をf',音源の振動数をf,音速をV,音源の速度をvs,観測者の速度をvoとすると、

f'={(V−vo)/(V−vs)}f

の式が成り立ちます。

今回の問題では、反射板が動くうえに風もあります。

風があると、風速の分だけ音速が変わります。

反射板は、一度音を受け取り、即座に反対方向に出すと考えることができます。
音を受け取るときは観測者、出すときは音源と考えて式を立てます。

まずRが受ける音をf1として式を立てます。vs=0,vo=−v,音源の振動数はf、風が音の進行方向と反対向きに吹いているので、音速はV−wですね。
これらを代入すると、

f1=[{(V−w−(−v)}/(V−w−0)]f
 ={(V−w+v)/(V−w)}f

反射板Rの受ける音の振動数は{(V+v−w)/(V−w)}f[Hz]です。
Rはこの振動数の音を出しながら左にvの速さで移動するので、反射音に関してはvs=vです。そして観測者Oは動かないので、vo=0です。
そして反射音については、音の進行方向と風の向きが同じになるので、音速はV+wです。
つまり、求める振動数をf'とすると、

f'={(V+w−0)/(V+w−v)}{(V−w+v)/(V−w)}f
 ={(V+w)/(V+w−v)}{(V−w+v)/(V−w)}f
 ={(V+w)/(V−w)}{(V−w+v)/(V+w−v)}f


この問題の最初に戻る→(1) 風が吹いていないとき、観測者Oが聞く、反射板Rによる反射音の振動数を求めよ。


◆関連問題
風があるとき反射板があるとき

ドップラー効果
波動まとめ


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