2022年11月26日

高校物理「波動」レンズに薄膜がつけられているとき@

高校物理「波動」レンズに薄膜がつけられているとき@

◆問題

屈折率1.8のレンズの表面に、屈折率n(1<n<1.8)の薄膜をつけ、波長λの光を垂直に入射させる。空気の屈折率を1,mを0以上の整数として、次の問いに答えよ。

(1) 空気中に戻ってくる反射光が弱め合っているとき、薄膜の厚さdをn,λ,mで表せ。


参考図
     光
空気    ↓
   ―――――――――――
薄膜    ↓
   ―――――――――――
レンズ


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◆解説

反射光が弱め合っているということは、もちろん、重なった光が「弱め合う条件」を満たしています。

つまり、空気と薄膜との境界面で反射した光と、薄膜とレンズの境界面で反射した光が重なって、「弱め合う条件」を満たしている。
ということができます。

光が(波が)弱め合う条件は基本的に、「経路差が半波長の奇数倍」です。

ただし、媒質の屈折率の大小によって、反射光の位相が変化する場合があります。
入射側の方が屈折率が小さいときは反射光の位相がπだけずれます。

今回の問題では、光は上から下に向かって進んでいるので、上側の方が屈折率が小さく、下側の方が大きければ位相がずれます。
空気と薄膜では薄膜の方が屈折率が大きい。薄膜とレンズではレンズの方が屈折率が大きい。
だから、両方とも位相がずれて、2つの経路の反射光同士の位相のずれは無い。ということになります。

つまり、普通に「半波長の奇数倍」で立式すればOK!です。

波長λの光は、屈折率nの媒質内での波長はλ/nだから、
「半波長の奇数倍」は、(2m+1)・λ/2nと表すことができます。

そして、上で反射した光と下で反射した光の経路差は、薄膜の厚さの2倍です。
薄膜の厚さの距離の往復なので、厚さの2倍ですね。つまり、2dです。

「半波長の奇数倍」と「経路差」が等しいときに反射光が弱め合うので、

2d=(2m+1)・λ/2n
 d=(2m+1)・λ/4n


次の問題→透過光が強め合うとき


◆関連項目
屈折全反射光学距離
波動まとめ


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posted by えま at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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