高校化学「熱化学方程式」尿素の生成
◆問題
二酸化炭素CO2とアンモニアNH3を高温・高圧で反応させると、尿素(NH2)2COが生成する。このときの熱化学方程式の反応熱Qは何kJか。ただし、CO2(気),NH3(気),(NH2)2CO(固),水H2O(液)の生成熱は、それぞれ394kJ/mol,46kJ/mol,333kJ/mol,286kJ/molとする。
CO2(気)+2NH3(気)=(NH2)2CO(固)+H2O(液)+QkJ
解答はこのページ下に掲載します。
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高校化学「精講」シリーズ
◆解答解説
生成熱は構成元素の単体からその物質1molを生成したときに発生する熱量です。
問題に与えられた生成熱の値から、以下の式を立てることができます。
C+O2=CO2+394kJ
(1/2)N2+(3/2)H2=NH3+46kJ
N2+2H2+C+(1/2)O2=(NH2)2CO+333kJ
H2+(1/2)O2=H2O+286kJ
熱化学方程式の反応熱に関する問題は、これらの方程式を数学の連立方程式の要領で、組み合わせることによって解くことができます。
目的の式の左辺にはCO2と2NH3があるので、その通りに移項し係数も合わせます。
CO2+394kJ=C+O2
2NH3+92kJ=N2+3H2
あとはそのまま4つの式を足すと、
CO2+394kJ+2NH3+92kJ+N2+2H2+C+(1/2)O2+H2+(1/2)O2=C+O2+N2+3H2+(NH2)2CO+333kJ+H2O+286kJ
とりあえず、左辺と右辺それぞれをそのまま足しました。
両辺に同数あるものを相殺して、熱量を右辺に集めると、
CO2+2NH3=(NH2)2CO+H2O+333kJ+286kJ−394kJ−92kJ
単体は偶然にも(?)全て消えて、目的の形と同じ式ができあがりました!
(もちろん偶然ではありません(笑)生成熱の式が正しくできていれば、そして問題が正しければ必ず不要なものは全て消えます)
あとは熱量の数値を計算すると・・・
CO2+2NH3=(NH2)2CO+H2O+133kJ
つまり、Q=133ですね!
◆関連項目
一酸化炭素の生成熱
熱化学方程式・化学平衡まとめ
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2023年01月24日
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