昨日の高校生Sくんの授業で、少し難しい英文の和訳と文法問題をやりました。
まずは次の英文を和訳することを宿題のうちの一つとしました。
A study was carried out to identify the factors which influenced students' decisions to study abroad.
Sくんは
「生徒の留学の決定に影響した要因の確認のための研究が実施された」
このように訳しました。
内容はそこそこ合っていますが、英文の構造を反映できていない部分があるのが気になります。
たぶん、単語はわかる(調べた)ものの、雰囲気で、日本語的につながるところをつなげた。というかんじではないでしょうか?
英文の主語は「A study」、述語は「was carried out」で、主語に不定詞や関係詞節などの修飾語がついていないので、「確認のための」と「研究」をくっつけると、英文の構造と違った日本語になってしまう。というわけです。
「英語学習」という観点では特に、できるだけ英文の構造を反映した訳をした方が良いと思います。
「英文の構造を反映した訳」というのは、
・意味不明にならない範囲で、意訳より直訳を優先する
・主語と述語、修飾語・被修飾語の関係を可能な限り日本語と英語で一致させる
・構文の標準的な訳を活用する
このような方針で訳したものです。
「英文の構造を反映した訳」をするために、スラッシュリーディングも活用します。
A study was carried out / to identify the factors / which influenced students' decisions / to study abroad.
ある調査が実行された / その要素を識別するために / それは学生の決断に影響した / 海外で学ぶという
最初に主語述語があり、そのあとの各部分は、直前の部分の説明になっています。
だから、英文の構造を反映して日本語訳をするときは、「主語を言ったら、文の最後から戻っていくように訳する」ことになります。
この方針で訳せば、
「ある調査が、海外で学ぶという学生の決断に影響した要素を識別するために実行された」
このようになります。
ただし、日本語では主語は、述語の前にありさえすれば、文頭である必要はないので、
「海外で学ぶという学生の決断に影響した要素を識別するために、ある調査が実行された」
このように語順を変えてもよいです。
これでも、英文の構造を反映した訳になっていますね!
このような訳ができるようになっていると、リーディングで大量の英文を読む場合でも、素早く正確に読み取ることができるようになります。
念のため付け足しておきますが、「英語長文全ての英文をこのように訳しなさい」と言っているわけでありません。
「和訳をしなさい」という問題だったり、解答を吟味するために正確な意味をとる必要がある場合には、「英文の構造を反映した直訳をすべき」という主旨です。
リーディングで大量の英文を読む場合でも、こういった英文の構造を理解していると、素早く正確に読み取ることができるようになります。
なお、この英文は、高校英語「和訳↔英訳」特訓問題集D関係詞に掲載したものです。
翻訳のトレーニングにも使われる手法を用いて、英文の構造に従った和訳と英訳の練習ができる問題集です。
良かったら皆さんもご利用ください。
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プロ家庭教師の江間です。 AE個別学習室(えまじゅく)
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