2023年06月11日

高校物理「力学」台上の物体を落とすときD

高校物理「力学」台上の物体を落とすときD

地面からの高さがhの台に、自然長がh/2のゴムひもで、質量mの物体がつり下げられている。この物体を台上に載せ、時刻0で静かに落下させる。次の問いに答えよ。
ただし、位置エネルギーの基準を地面とと、重力加速度はgとし、物体の大きさ、ゴムひもの質量は無視できるものとし、ゴムひもは、自然の長さから伸びているときはばね定数kのばねと同様のふるまいをする。

(1) 物体が台上にあるとき、その重力による位置エネルギーはいくらか。

(2) 物体が地面からh/2の高さまで落下したときの時刻t0と、そのときの物体の運動エネルギーK0を求めよ。

(3) 物体の加速度が0になるような物体の地面からの高さh1を求めよ。

(4) 物体が地面まで達したとして、そのときのゴムひもの弾性力による位置エネルギーを求めよ。ただし、弾性力による位置エネルギーの基準は、ゴムひもの長さがh/2のときとする。

(5) 物体が地面に衝突しないためのkの条件を求めよ。


この記事では(5)を解説します。


解き方の習得におすすめの問題集です。



物体が地面に衝突しないためには、物体の高さが0になる前に、物体の速度が0になればOKですね。
物体の速度がゼロならば、運動エネルギーもゼロになるので、力学的エネルギーの保存を考えるとやりやすいと思います。

物体が落下し始めるときは、速度ゼロ、高さはhなので、最初の状態の力学的エネルギーは、

0+mgh

です。

地面に衝突しない場合の最下点まで行ったときは、速度ゼロ=運動エネルギーゼロ、弾性力による位置エネルギーは(4)より(1/8)kh2、そしてギリギリ地面に衝突しない場合は重力による位置エネルギーはゼロと考えて、

0+(1/8)kh2+0

力学的エネルギーの保存より、これら2つの状態のエネルギーは保存されるので、イコールで結びます。
つまり、

mgh=(1/8)kh2
kh2=8mgh
 k=8mgh/h2
 k=8mg/h

地面すれすれまで物体が下がるときのkの値がコレで、kが大きければ物体の速度がゼロになるのはもっと上の位置になるから、
求めるkの値の範囲は、

k>8mg/h


この問題の最初に戻る→(1) 物体が台上にあるときの重力による位置エネルギー


◆関連項目
重力力学的エネルギーの保存
力〜エネルギーまとめ


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posted by えま at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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