高校物理「気体の状態変化」気体の熱サイクル@
◆問題
単原子分子からなる理想気体1molを、参考図のp−VグラフのようにA→B→C→D→Aの順にゆっくり変化させた。A(p1[Pa],V1[m3]),C(3p1[Pa],3V1[m3])として、次の問いに答えよ。
参考図
圧力↑
│ B C
│ ┌──┐
│ │ │
│ └──┘
│ A D
─┼──────→
体積
(1) A→B,B→C,C→D,D→Aそれぞれの過程で、この気体に外部から加えられる熱量を求めよ。
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◆解説
(i)A→B
体積が一定だから、気体が外部にした仕事(された仕事も)はゼロです。
ということは、「外部から加えられた熱量=内部エネルギーの増加量」となります。
だから、Bの内部エネルギーUBからAの内部エネルギーUAを引けば、外部からの熱量を求めることができる。というわけです。
単原子分子の理想気体の内部エネルギーは、U=(3/2)nRTであり、PV=nRTだから、U=(3/2)PVです。
UA=(3/2)p1・V1
UB=(3/2)3p1・V1=(9/2)p1・V1
よって、QAB=UAB=(9/2)p1・V1−(3/2)p1・V1=3p1・V1[J]
(ii)B→C
圧力一定だから、気体が外部にした仕事WBCと内部エネルギーの変化UBCの和が、外部からの熱量に等しいです。
WBC=3p1・3V1−3p1・V1=6p1・V1
UBC=(3/2)・3p1・3V1−(3/2)・3p1・V1=9p1・V1
というわけで、QBC=6p1・V1+9p1・V1=15p1・V1
(iii)C→D
体積一定だから、(i)A→Bと同様に、仕事はゼロで、QCD=UCDです。
UC=(3/2)3p1・3V1=(27/2)p1・V1
UD=(3/2)p1・3V1=(9/2)p1・V1
よって、QCD=UCD=(9/2)p1・V1−(27/2)p1・V1=−9p1・V1[J]
(iv)D→A
圧力一定だから、(ii)と同様です。
WDA=p1V1−p1・3V1=−2p1・V1
UDA=(3/2)p1・V1−(3/2)p1・3V1=−3p1・V1
だから、QDA=−2p1・V1−3p1・V1=−5p1・V1[J]
次の問題→A→B→C→D→Aでした仕事
◆関連項目
定積変化、定圧変化、内部エネルギー、状態方程式
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2023年09月21日
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