2023年09月21日

高校物理「気体の状態変化」気体の熱サイクル@

高校物理「気体の状態変化」気体の熱サイクル@

◆問題

単原子分子からなる理想気体1molを、参考図のp−VグラフのようにA→B→C→D→Aの順にゆっくり変化させた。A(p1[Pa],V1[m3]),C(3p1[Pa],3V1[m3])として、次の問いに答えよ。


参考図

圧力↑
  │ B  C
  │ ┌──┐
  │ │  │
  │ └──┘
  │ A  D
 ─┼──────→
         体積

(1) A→B,B→C,C→D,D→Aそれぞれの過程で、この気体に外部から加えられる熱量を求めよ。



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◆解説

(i)A→B
体積が一定だから、気体が外部にした仕事(された仕事も)はゼロです。
ということは、「外部から加えられた熱量=内部エネルギーの増加量」となります。
だから、Bの内部エネルギーUBからAの内部エネルギーUAを引けば、外部からの熱量を求めることができる。というわけです。

単原子分子の理想気体の内部エネルギーは、U=(3/2)nRTであり、PV=nRTだから、U=(3/2)PVです。

UA=(3/2)p1・V1
UB=(3/2)3p1・V1=(9/2)p1・V1

よって、QAB=UAB=(9/2)p1・V1−(3/2)p1・V1=3p1・V1[J]


(ii)B→C
圧力一定だから、気体が外部にした仕事WBCと内部エネルギーの変化UBCの和が、外部からの熱量に等しいです。

WBC=3p1・3V1−3p1・V1=6p1・V1
UBC=(3/2)・3p1・3V1−(3/2)・3p1・V1=9p1・V1

というわけで、QBC=6p1・V1+9p1・V1=15p1・V1


(iii)C→D
体積一定だから、(i)A→Bと同様に、仕事はゼロで、QCD=UCDです。

UC=(3/2)3p1・3V1=(27/2)p1・V1
UD=(3/2)p1・3V1=(9/2)p1・V1

よって、QCD=UCD=(9/2)p1・V1−(27/2)p1・V1=−9p1・V1[J]


(iv)D→A
圧力一定だから、(ii)と同様です。

WDA=p1V1−p1・3V1=−2p1・V1
UDA=(3/2)p1・V1−(3/2)p1・3V1=−3p1・V1

だから、QDA=−2p1・V1−3p1・V1=−5p1・V1[J]


次の問題→A→B→C→D→Aでした仕事


◆関連項目
定積変化定圧変化内部エネルギー状態方程式


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