高校化学「電池と電気分解」ダニエル電池の反応等A
◆問題
ダニエル電池に豆電球を1つつないだ単純な回路を作った。これについて次の問いに答えよ。
(1) 豆電球が点灯しているとき、負極と正極でおこる変化を、それぞれe-を用いた反応式で示せ。
(2) 電流の向きは、「亜鉛板→銅板」と「銅板→亜鉛板」のどちらか?
(3) 素焼き板を通って、銅板側から亜鉛板側へ移動する粒子は何か?
(2), (3)の解答はこのページ下に掲載します。
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ダニエル電池は、ボルタ電池を改良したもので、極板はボルタ電池と同じく亜鉛板と銅板です。
素焼き板などで真ん中が仕切られた容器に、亜鉛板の側には硫酸亜鉛水溶液を、銅板側には硫酸銅水溶液をそれぞれ入れたものです。
(2) 電流の向きは、「亜鉛板→銅板」と「銅板→亜鉛板」のどちらか?
電子は「負極→正極」の向きに移動し、電流はその逆で「正極→負極」の向きに流れます。
負極は亜鉛板、正極は銅板なので、電流の向きは「銅板→亜鉛板」となります。
(3) 素焼き板を通って、銅板側から亜鉛板側へ移動する粒子は何か?
電流が流れると、亜鉛板が溶けて硫酸亜鉛水溶液中のZn2+イオンが増加します。
そして、硫酸銅水溶液中のCu2+イオンが銅板で電子を受け取ってCuになるので、硫酸銅水溶液中のCu2+イオンは減少します。
つまり、亜鉛板側では陽イオンが増加し、銅板側では陽イオンが減少するので、素焼き板の左右でイオンの不均衡が起こります。
この不均衡を解消するように素焼き板を通って一部の粒子が移動する。というわけです。
不均衡を解消するには、亜鉛板側に陰イオンを増やし、銅板側には陰イオンを減らすと良いですね。
これらの水溶液中の主な陰イオンは、SO42-で、これが素焼き板を通って銅板側から亜鉛板側へ移動する。と考えることができます。
次の問題→長く電流が流れる条件
◆関連問題
用語と基本的な構造→ボルタ電池、ダニエル電池、鉛蓄電池、マンガン電池、燃料電池
電池・電気分解まとめ
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2023年10月17日
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