2023年10月25日

高校化学「電池と電気分解」鉛蓄電池の電気量等B

高校化学「電池と電気分解」鉛蓄電池の電気量等B

◆問題

鉛蓄電池を一定時間充電したところ、負極の質量が充電前より7.20gだけ減少したという。次の問いに答えよ。
ただし、O=16,S=32,Pb=207、ファラデー定数を9.65×104C/mol、有効数字を3桁とする。

(1) 充電中に負極、正極で起こる変化を、電子e-を用いた反応式でそれぞれ表せ。

(2) 充電後の正極の質量は50.0gだった。充電前の正極の質量と、充電する際に流れた電気量を求めよ。

(3) 充電後の希硫酸の質量パーセントは29.0%、質量は495gだったという。充電前の希硫酸の濃度は何%だったと考えられるか?


(3)の解答解説はこのページ下


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◆解答解説

まずは充電後の希硫酸の質量を求めてみましょう!

495gの29%が硫酸なので、495×29/100=143.5g

ということは、H2Oは495−143.5=351.5gであることがわかります。


充電するときの負極・正極の式を確認すると、

負極:PbSO4+2e-→Pb+SO42-
正極:PbSO4+2H2O→PbO2+4H++SO42-+2e-

これらを組み合わせると、

2PbSO4+2H2O→Pb+PbO2+2H2SO4

このようになります。
2e-が流れたときに、2H2SO4ができるので、流れた電子の物質量とできたH2SO4の物質量は同じであることがわかります。
また、H2Oの係数も2で同じだから、充電で消費されるH2Oも同じ物質量です。

(2)で求めたように、流れた電子の物質量は、0.150molだから、充電によって生成されたH2SO4と消費されたH2Oも0.150molです。
というわけで、それぞれの質量を求めて、希硫酸の質量から足し引きして、濃度の計算をすればOK!ですね!

2SO4・・・0.15×98=14.7g
2O・・・0.15×18=2.70g

充電した結果、これだけの増減があったので、つまり充電前は、

2SO4・・・143.5−14.7=128.8g
2O・・・351.5+2.70g=354.2g

これだけの質量があったことになります。
あとは質量パーセント濃度を計算します。

100×128.8/(354.2+128.8)=1288/483=26.66…

有効数字は3桁なので、求める濃度は26.7%


(1)に戻る→充電中の反応式


◆関連問題
用語と基本的な構造→ボルタ電池ダニエル電池鉛蓄電池マンガン電池燃料電池
電池・電気分解まとめ


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posted by えま at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校化学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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