高校物理「磁気」ホール効果に関する問題A
◆問題
鉛直上向き磁束密度Bの一様な磁場中に、縦3h,横6h,高さhの直方体の形をした金属を水平に置き、一定の電流Iを左から右に流したところ、ホール効果の現象が生じた。電子の電荷を−e,金属中の単位体積あたりの電子数をn,金属中の電子の速さをvとして次の問いに答えよ。
(1) 電子が磁場から受ける力の大きさを求めよ。
(2) この直方体の金属の面のうち、奥側の側面をS,手前側の側面をTとすると、ST間に電位差が生じた。面Sと面Tの中央2点間の電位差を求めよ。
参考図(直方体の金属を真横から見た図)
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─┤ ├─
└─────┘
↑
この金属に左から右へ電流Iが流れている
↓解答解説はお知らせの下↓
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◆解説
電場中の2点間の電位差は、V=Edで求めることができます。
Eは電場の強さ、dは距離です。
問題の設定から、d=3hはわかっているので、Eを求める方針で考えていきましょう。
まず、電場の中に電流を流すと、電子がローレンツ力を受けます。電流が左から右、磁場は下から上の向きなので、ローレンツ力の向きは、フレミング左手の法則から、奥側から手前側つまり面SからTの向きとなります。
だから電子は面Tの方向に移動するので、面Tは負に帯電し、面Sは正に帯電します。
ということはSからTの向きに起電力が生じ、SはTより高電位になり、同じ向きに電場も生じます。
電場から受ける静電気力の大きさはF=qEで、この問題ではq=eだから、F=eEです。
電子はもともとローレンツ力を受けていて、電場が生じたことにより静電気力も受けます。
電子が金属中を直進しているならば、ローレンツ力と静電気力がつり合っているはずですね。
ローレンツ力は(1)よりF=evBで、これと静電気力がつり合っているので、
eE=evBより、E=vBとなります。
E=vBとd=3hを、V=Edに代入すると、
V=vB×3h
よって、求める電位差は、V=3vBhとなります。
次の問題→V/Iの値
◆関連項目
ローレンツ力
電気・磁気まとめ
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2024年01月16日
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