2024年01月21日

高校化学「物質の変化と平衡」四酸化二窒素と二酸化窒素の圧平衡定数

高校化学「物質の変化と平衡」四酸化二窒素と二酸化窒素の圧平衡定数

◆問題

ある量の四酸化二窒素N2O4を密閉容器に入れて70℃に保つと、二酸化窒素NO2を生じて平衡状態に達した。このときのN2O4の解離度を求めよ。
ただし、平衡時の圧力を1.5×105Pa,70℃における圧平衡定数を2.0×105Paとする。

N2O4(気)⇄2NO2(気)


↓解答解説はお知らせの下に↓

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◆解答解説

以前掲載した「四酸化二窒素の解離度が与えられている場合」の類題です。

この問題では、N2O4の物質量と解離度が与えられていないので、それぞれn,αとおいてみます。
すると、

    N2O4  NO2

はじめ  n    0

変化量 −nα  +2nα

平衡時 n(1−α) 2nα

このようになりますね。

平衡時には、N2O4はn(1−α)[mol]、NO2は2nα[mol]存在していることになります。
合計すると、n(1−α)+2nα=n(1+α)[mol]の分子が容器内に存在していることになります。

分圧は分子数に比例するので、N2O4とNO2の分圧の比は、平衡時の物質量の比と同じになります。

つまり、圧力についても、

N2O4:NO2=n(1−α):2nα

です。

平衡時の全圧P[Pa]とすると、

N2O4の分圧・・・P×n(1−α)/{n(1+α)}=P(1−α)/(1+α)[Pa]
NO2の分圧・・・P×2nα/{n(1+α)}=2αP/(1+α)[Pa]

となります。

この反応の圧平衡定数は、Kp=(pNO2)2/pN2O4だから、

p={2αP/(1+α)}2/{P(1−α)/(1+α)}
 ={(4α22)/(1+α)}/{P(1−α)}
 =(4α2P)/{(1+α)(1−α)}
 =(4α2P)/(1−α2)

求めるのは解離度だから、数値を代入する前に、αについて解いておきましょう!

(1−α2)=4α2
−Kα2−4α2P=0
−Kα2−4α2P=−K
α2(Kp+4P)=Kp
α2=Kp/(Kp+4P)
α=√{Kp/(Kp+4P)}

この後の計算は省略しますが、あとはそれぞれの数値を代入して計算すると、「α=0.50」となります。


◆関連項目
四酸化二窒素の解離度が与えられている場合
熱化学方程式・化学平衡まとめ


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